出川組 年始早々 ナイアガラ(ゆっちーぬ心の一句)
ビットコイン現物、年始に上げた分がそのまま急落してしましました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。大損ぶっこいても、大丈夫、いつかはまた爆益が出ます。
本日は、仮想通貨の基本概念であるPoW、PoS、PoIの解説をしたいと思います。
Contents
PoWとは何か
PoWの概要
PoWとはProof of Workの略で、直訳すると「仕事の証明」です。
ブロックチェーン技術の根本を支える仕組みにコンセンサスアルゴリズム(合意の方法)というものがあります。取引台帳であるブロックチェーンの取引履歴が正当である(不正データではない)ことを証明する(合意する)ことによって、ブロックが承認され、繋がっていくという方式です。
PoWは、そのコンセンサスアルゴリズムのもっとも最初に作られた仕組みです。
一般にいわれるマイニング(このブログで作っているマイニングリグもその用途です)とは、実際にコインを掘っているわけではなく、この取引履歴の実証作業(Proof)を、各コインのアルゴリズムに従った暗号を解くとい形で作業(Work)し、その報酬としてそのコインが支払われる仕組みとなっております。
PoWでは、CPUやGPUといった、高性能の集積回路を使い、多くの電力を消費して、暗号通貨取引履歴の確認作業を行います。
その実証作業は、どこかのサーバが専門にするわけではなく、世界中のP2Pネットワーク(サーバを介さないPC-PC間のネットワーク)によって行われます。
そして、一つの実証作業において、その実証結果が正当であるか(不当でないか)は、他のマイナーの承認が必要になります。そこでは民主主義の原則に基づき、多数決で正当性が定められます。
そうすることによって、どこかの誰かが好きに不正が出来ることを防ぐのです。
この不正ができないという仕組みがブロックチェーン最大の特徴となります。
また、PoW方式の特徴は、暗号を解くための設備(GPUだけでなく、ASICと呼ばれる専用機)を多く持つもの、電気代をじゃんじゃん使えるものが、より多くの報酬を得ることができるという点があります。
PoW実装の主なコイン
一番始めのコイン、ビットコインがまずこの方式をブロックチェーンの維持に用いました。
今ではビットコインは専用機でないと、ほとんど掘ることが出来ない状態になっておりますが、昔は一般的なGPU程度でも掘れたようです。
また、ワンココインで有名な? DOGEコインやLiteコイン、DASHなどもPoW方式を取っております。
PoWの問題点
PoWは51%Attackという致命的な欠陥を抱えております。
これは電力量を圧倒的に使用できる不正者が、51%以上のWorkを行った実証においては、不正送金であったとしても、PoWの民主主義の方針から、それがそのまま承認されてしまうという点です。
また、設備、電気代など、初期投資の大きな者が、最も報酬を得られるという、国家経済という富の再分配システムを介在させない、資本主義むき出しの方式として、自由主義的なコイナーから煙たがられてもいます。
そして、電力消費量が加速度的に増加していくという問題も抱えており、時折、どこそこの国の消費電力量を超えたなどと、ニュースになっていたりします。
PoSとは何か
PoSの概要
PoSはProof of Stakeの略です。Stakeには色々な意味がありますが、ここでは出資という意味があっていると思います。直訳すると「出資の証明」です。
PoWの問題点を解決するために作られた方式であり、マイニング(PoSを実装したコインでは違う言葉で表現されることが多いです)の方法が、CPUやGPU、ASICをぶん回して報酬を得るという形とは根本的に変更されております。
PoSでのマイニングはそのコインを保有すること。これにつきます。PoS方式のコインを保有すればするほど、報酬を得られます。
(PoSを採用していても、通貨独自の取り決めによって、報酬などが発生しない通貨もあります)
これは、ブロックチェーンの正当性確認を保有量に合わせて決定できるということになります。
つまり、大量保有している人の承認の影響力が強くなります。
「じゃあ、大量保有している人が不正操作できるじゃない」
という声が聞こえてきそうですが、しかし、そのコインを大量保有している人は、不正操作によってコイン量を増やしたりしません。
もしそんなことをしてしまうと、コインの価値自体が下落してしまう(需給関係が壊れる)ことを知っていますので、保有すればするほど、厳格に正当性を求めることになります。
この様な方式ですので、PoWのように設備や電力を必要としないというメリットがあります。
また、現在の主流コンセンサスアルゴリズムもPoSとなっております。
PoS実装の主なコイン
最大のPoSコインはやはりethereumです。
(訂正:2018/01/11現在、ethereumはまだPoWにて稼働しております。PoSへの移行アップデートであるserenityのスケジュールは2018年中と発表されておりますが、現時点ではまだ実装されておりません)
ethereumはPoSの実装だけではなく、PoS方式のブロックチェーン実装方式をパッケージ化し、ERC20という規格を作りました。
このERC20という規格はethereumの理念であるスマートコントラクト(スマートな契約)を実装するためのプラットフォーム(土台)となっており、ERC20を使用することにより、自由度の高いコインを作ることが出来ます。
ERC20を実装しているコインは、ものすごい数になりますので、ここは私の推しコインであるPELOコインを紹介しておきます。
PELOコインについての詳細は、こちらで記事にしておりますので、是非御覧ください。
PoSの問題点
PoSはPoWでの問題点であった51%Attackもありませんし、消費電力もありません。
しかし、やはり富の偏在といいますか、むき出しの資本主義には変わりありません。
大量保有している人ほど報酬を得られるのですから、その点ではPoWよりも先鋭化されているといってもいいでしょう。
また、大量保有がそのまま報酬量に比例するため、大量の溜め込みが行われ、資金の流動性が失われるという問題点もあります。
資金の流動性の低下は、仮想通貨のように法定通貨でない場合、そのまま価値の低下に繋がりかねませんので、これは大きな問題だと思われます。
PoIとは何か
PoIの概要
PoIとはProof of Importanceの略で、「重要性の証明」という意味です。
この仕組はPoSの欠点の一つであった、富の偏在化と溜め込みによる流動性の低下を克服するよう開発された、コンセンサスアルゴリズムです。
この方法では、保有量の他に、重要度スコア(importance score)という観点が追加されます。
重要度とはPoIコインネットワーク内での重要度のことで、どれだけそのコインに貢献したかが評価対象となります。
保有はもちろん重要ですが、保有しているだけでは重要度は上がりません。さまざまな取引をおこない、コインを使用することで、ネットワーク内での重要度が高まる仕組みとなっております。
つまり、保有しつつ、さらに使用しているブロック(コイナー)が高い承認力を得ることになり、その分だけ報酬が増える仕組みになっております。
PoI実装の主なコイン
現在PoIを実装しているコインはNEMだけです。
(寡聞にしてNEMしか知りませんが、もし他にございましたら、ご指摘下さい)
NEMは非常に独特な通貨であり、マイニングのこともハーベスティングと呼び、コミュニティも資本主義的な方式ではなく、富の再分配をできるだけ考慮したものとなっているようです。
まとめ
PoW、PoS、PoIそれぞれの特徴を解説しました。
どれも現在使用されているコンセンサスアルゴリズムであり、それぞれに長短がありますが、今主流になりつつあるのはPoSのようです。
ethereumの提供するERC20は、新しくコインを作成する場合に非常にさまざまなことができる規格であり、実装のためのメソッドなども提供さています。
しかし、ERC20には重大な問題点があるため、現在、ERC223という規格が誕生したのですが、そのあたりのコアな技術的なことは、また機会があれば記事にしたいと思います。
本日はこのあたりで筆を擱きます。
この記事が皆さまの仮想通貨の理解の一助になれたなら幸いです。
それでは、アディオス・アミーゴ(・∀・)